昨日ママと話せなかったことを先輩に話すと、いつもより早くあがらせてもらえた。




「今日はママ起きてるかなぁ」




ママに何から話そうかと色々と考えながら、足早に病室へ向かった。




――ガシャーンッ!



突然、反対側の病室の方から大きな音が聞こえた。




「また飲んでたのかよ!」



「うるせぇなぁ〜!どうせ長くな
 いんだ!ほっとけ!」




「なんでわかんねぇんだよ!
 酒やめりゃ〜
 よくなるって言ってんだろ!」




「酒なくなったら、俺には何にも
 ねぇ、死んだほうがマシだ」




「なんだよ!俺はなんなんだよ!
 酒より下かよ!
 バカにすんじゃねぇー!
  こんな物!こんな物ーっ!」




――ガシャーンッ!
   

    ガシャーンッ!




「何すんだっ!
 ゴホッ、ゴホッ!」




看護婦さんが慌てて走って来た。




「何してるんですか!
  安静なんですよ!」




「俺はいらねーのかよ!
 必要ねーのかよ!
 じゃあ最初っから生んでんじゃ
 ねーよ!クソッ!」





病室の外からそっと様子を伺っていたあたしに、いきなり飛び出してきたアニキがぶつかった。