「ハァハァハァ・・・
 追いかけて来るかなぁ。
   ねぇ・・・大丈夫?」


「うっうぅ・・・」


その女の子は口を押さえてしゃがみ込んだ。




「あたし、よかったのかな?
   あんなことして・・・
   反対に迷惑じゃ・・・」



「ううん、
 あっありがっ・・・と・・・」



「いいってー!いらついてたし、
 勢いでついやっちゃったよ!」




ふと、その子の胸元を見ると、まだブラウスのボタンが留まっていなかった。




「ボタン・・・留めよーね」




あたしが胸元に手を伸ばした瞬間、その子はビクッとした。




まだ体がブルブルと震えていた。




「あっごめんね・・・
 自分でできるよね・・・」




彼女は震えながら、小さくうなづいた。




「ねぇ、我慢しないで泣きたかっ
 たらおもいっきり泣いていいん
 だよ?
 誰もいないんだし・・・
     吐き出しちゃえば?」




「うんっ、うんっ・・・
   うわぁぁぁ!」




あたしも誰かに、こう言ってほしかったのかもしれない。




一緒に涙がボロボロとこぼれ落ちた。




人前でなんか、泣いたことなんてないのに・・・・・・・・・




あたしだってショッキングだった。


先生が・・・同じ女なのに・・・



色んなことが、涙と一緒にぽろぽろと落ちていく。




最近、学校に来てる意味がわからない。




あたし達は、虐められる為に来てるんじゃない。




学校ってなんなのか・・・


誰かに教えてほしい・・・