雅人と虎ちゃんは何度も殴られ、起き上がれないほどの状態になり、大ちゃんとよっちゃんが二人がかりで立ち向かっても、その人には敵わなかった。



「こいつらよぇーな。洋子!
 おまえらだけで片付けられたん
 じゃねーのか?ハハハハッ!」



みんなが雅人達を笑い、バカにした。



「くっそ・・・じじいが!」



雅人が顔を苦痛にゆがめ、仰向けのまま言った。



「おまえ、まだそんな口きいてん
 のかよっ!」


――ガツッ!


雅人はお腹をおもいっきり蹴られた。


――「ゲフッ!」


「もうやめて!あんた手加減って
 の知らないの?
 もう気が済んだでしょ!」

あたしは雅人に覆いかぶさった。



「済まねぇなぁ。
 洋子何してもらおうか」


「ふふ、そうだねぇ・・・・・・」

全員があたし達を見下ろして、気味悪くニヤニヤと笑った。


「ん、なんだ?」



チンピラが見る方向を振り向くと、今までに見たことのない怖い形相の那抖がいた。