「みんな、ありがと!」


「今からさ・・・・・・」

虎ちゃんが微笑んだ。


「喧嘩するの?」


「あぁ・・・・・・」

雅人が怖い顔をしてうなづいた。



「このままじゃ、
 永遠に追っかけられるぞ」

大ちゃんが心配そうな顔をして、女達が行った方向を見た。



「だいじょぶにゃ♪」

よっちゃんが、あたしを心配させないように、おどけながら言ってくれた。




女達は数分して二人の男を連れ戻って来た。




30後半とも思えるのに、派手なスーツを着て、ジャラジャラとゴールドの貴金属を付け、いかにもその辺のチンピラだった。




「お兄ちゃん達かな?」




ニヤニヤと笑いながら二人の内、一人が歩いて来た。



「ふざけんなよ!おっさん!」

雅人が1番に殴りかかった。




――ガシッッ!




「雅人!」




雅人が足をはらわれ倒された。




「お兄ちゃん、
 なめてもらっちゃ困るよ」




もう一人はバカにしたように鼻で笑い、自分は何もしなくていいという感じで、しゃがんで煙草を吸い始めた。




雅人が立ち上がっていっても何度も殴られ、虎ちゃんが立ち向かった。




「誰が来ても一緒よーん♪」




体の大きな虎ちゃんでも殴り倒され、蹴りがいがあると言われながら何度も執拗に蹴られた。




あたしはもうどうしようもないと思い、那抖に電話して助けを求めた。




「那抖!助けて!
 みんながやられちゃう!
       助けてっ!」


《どうしたんだ!》


「みんなが・・・
 やられちゃうよ!早く来て!」


《わかった!
 すぐ行くから待ってろよ!》