折れない心

夏休みもあっと言う間に終わった。



今年の夏休みは、ほんとに泣いたり笑ったり忙しい夏休みだった。



あたしにとって、高校生活最後の夏休み･･･



色んなことがあったけど、思い出に残る夏休みだった。



一日め学校に行った帰り、またあのケバい女達に遭遇した。


あたしを待ち伏せしてたようだった。


「ねー。あんた、まだ那抖と
　付き合ってんだって？」


この女、ほんとしつこすぎる。



「洋子が付き合ってたのに　邪魔すんじゃねーよ！」


何の関係があるのか、関係のない他の女がそう言った。



「元カノのひがみですかぁ？」

あたしは、洋子とやらに向かって言った。




「なんだって？こいつっ･･･
　調子に乗りやがって！」




あたしは何人かの手が襲って来るのを、カバンで振り払った。




やっと隙を見つけ、走って建物の角を曲がると誰かにぶつかった。


ドンッ――

「うっわ！」




「おい、おい、おーい！
　　　何やってんだぁ？
　汚ねぇなぁ。1対1、2、3と〜
　･･･7かぁ？」




「虎ちゃん！！」




「おまえらしつけぇなぁ･･･
　女と言えども、紗茅に何かする
　奴は許さねーぞっ！
　わからせてやろうかぁっ！」


雅人が怖い顔をして歩いて来た。




その後ろから、大ちゃん、よっちゃんも現れた。




「ま〜た、おまえかよ！
　バカじゃねぇのか。こっちだっ
　てバックがいるんだよ！」




「バックだぁ？連れてこいや！
　ごらぁ！
　待っててやっからよぉ！」




いつもと違う雅人に、あたしはびっくりした。




「バ〜カが。待ってろよ！」




ケバい女達は、ケラケラと笑いながらバタバタと走って行った。