「すみませんっ!
 俺・・・つい、うれしくて・・・」

悠也君は涙を拭きながら言った。



「泣くんじゃねーよ。
 紗茅がびっくりしてんだろ」


「すみません・・・すみません」



それから悠也君は、仕事の道具をかかえて帰って行った。




「なんで悠也君泣いたの?」


「あのな、紗茅・・・
 俺大事な話しが・・・」


「うん。何?」

何かはなんとなくわかっていた。



「元カノのこと」


「話すの
 辛かったらいいんだよ?」


「なんで?おまえ・・・
 なんか知ってんのか?」

「うん。
 亡くなったってことは・・・」


「そっか・・・・・・俺の
 バイクの後ろに乗っててな」



那抖が苦しそうに顔を歪めた。



「ね、いいんだよ・・・?
 辛かったら無理しなくて」


「いや、
 おまえには言わなきゃな」



那抖は、大きく深呼吸をして話し始めた。