取り付け工事も終わって、悠也君も一緒に、晩御飯を食べることになった。



「みんな元気かよ?」



那抖がいつもにもまして嬉しそうな顔をしてる。



「はい、みんな仕事を真面目にやってますよ!」


「そっか、そりゃよかった」


「それより、みんな那抖さんのこと心配してましたよ」



それを聞いてふと、那抖が少しさびしそうな顔をした。



「いや、俺は大丈夫だって」



誰とも目線を合わせず、おばあちゃんの作った芋の煮転がしに箸を刺した。



「そっすか。ならいいんすけどね・・・」



悠也君は、すかさずあたしの方に体を向けて言った。



「紗茅さん、那抖先輩をよろしくお願いしますね!」


あたしは口の中にあった食べ物を急いで飲み込んだ。



「え?あっ、はい、
 よろしくされちゃいます」


「バーカ!悠也!
 心配いらねって。
 クーラーつけさせたの、 こーいーつ!」


「ちょっと!
 この暑さから救ってあげたの、
 あーたーしっ!」


「ちょっと!お金出したの
  あ゛ーだーしっ!」



そうあたしの後、ニューハーフぎみに那抖のパパが言った途端、みんなが大笑いした。



「よかった。マジでよかった」

悠也君が笑ってたかと思ったら急に泣き出した。



「ちょっ、悠也君?」