それは三日前の出来事だった。



「近々、身内の方呼んでもらえますか?病状について詳しい話しがありますから」

看護婦さんが尋ねてきた。

「あの。あたししかいません」


「ご親戚とかは?」


「いません・・・・・・」


「そう・・・じゃあ、お母さんと二人で説明聞いてくれる?」


「はい。わかりました・・・・・・」


なんだか悪い予感がした。

あたしは、その予感が当たらないことを強く願った。




そのまま少しして違う部屋へ呼び出された。

数分が数時間に感じられた。



担当医が沢山の写真を並べ、説明が始まった。



「かなり癌が進行してます。 こちらとこちらに転移がみられます。これからの・・・」



見てる物、聞いてること全てが信じられなかった。



まさか・・・こんなに・・・・・・

こんなに転移してるなんて・・・・・・



とにかく、ママがいる前では泣かないようにがんばった。


「あっ、後はちょっとお母さん席はずしてもらって」

「どうしてですか?!」

そう言うママを有無を言わせず、車椅子のまま連れて行った。




「お嬢さん。これからのことですが・・・
覚悟して下さい」


「え・・・?」


「できる限りのことはいたします。しかし、この状態では・・・・・・
もっても三ヶ月」


『死の宣告』を自分が受けたようなショックだった。


「手術・・・
手術をしても助からないんですか?」


「それも考えてます・・・一時、強い薬を使うようになるので、体がもつかどうか・・・」


「結局無理だと・・・?」







「全力を尽くします」