汗びっしょりになって

あたしの為に

ゲームしてくれたこと。





学校帰り

いつも笑顔で

あたしを待っててくれたこと。





みんなとつるんで

バイクを乗り回したこと。





ナンパを冷やかしに行ったこと。





みんなと海で遊んで

ビショビショになったこと。





かき氷の早食い競争を

みんなでしたこと。





雅人と手を繋ぎ

二人きりで海沿いを歩いて
散歩したこと。





蹴られたあたしに

優しく膝枕してくれたこと・・・





あたしは気付かなかったのに、雅人はあたしがずっと遠い所を見つめてたのに気付いてたんだね。




ごめんね。



ごめんね。雅人・・・





まるで迷子の子供みたいに、泣きじゃくりながら歩いた。




混み合う人ごみの中、涙で前が見えなくて、何人もの人達にぶつかりながらずっとずっと歩いた。



「いたい。いたいよ。雅人」


いくら泣いても

雅人は





もう

助けには来ない。





空には美しい花火が上がり、みんなの歓声が聞こえた。



あたしの目には、にじんだ色の花火しか見えなかった。




花火は散らばり、一瞬で空に消えた。