折れない心

「ヒィー！」


「キター！」


「キーンとする！」


「頭いってぇー！」




みんなが苦戦する中、大ちゃんがすぐに平らげた。




「よっしゃあ！１抜け！」



「あっ！おねぇさんも勝ったら
　　　　　　中学生を紹介･･･」




「あほか！」

雅人に頭を叩かれた。




「そう言うわりには雅人君･･･
　　ペースが早いですね･･･」




「そーかぁ？」


そう言いながら、雅人がよけい急いでかき氷を食べ出した。




「よっしゃあ！２抜け！」

２番めは虎ちゃんが食べ終えた。




中学生二人は、少し残念そうな顔をした。




あたしは、笑いながら女の子達に言った。




「いいじゃん、みんな友達で。
　みんな
　悪い奴らじゃないからさっ」




食べ終えてない、よっちゃんがあたしを指差して言った。



「カァー！さっちゃん、
　　いいこと言うぜー！」



「雅人！いい女捕まえたな！」




「だろー？」

雅人があたしの肩を抱き寄せた。




「おしかったねっ！雅人」




あたしは、雅人のかき氷があと少しだったのを見逃さなかった。




手を止めて、わざとあと少し残してたのも･･･




その後、みんなで並んで記念写真を撮った。


みんなでアッカンベーをした。




みんなの舌は、赤だったり、緑だったり、黄色だったりして見せあいこして笑った。




太陽も落ちてきて、泳いでる人もまばらになった。




みんなで横に並んで夕日を眺めた。




「綺麗だねー。」




「あぁ。」




赤い夕日に照らされて、みんなが幸せそうな顔をしていた。




「紗茅。また来年も来ような♪」




「うん♪」

打ち寄せる波の音を聞いて、ずっとこの夏が終わらなければいいのにと思った。