それぞれのバイクに乗り、みんなはあたし達に合わせてゆっくり走ってくれた。


「気持ちいーい♪」



太陽は暑いけど、爽やかな風が通り抜けて行く。



山道を抜けて行くと、真っ青な海が広がっていた。



「わぁ、きれーい♪」



海へ着くと海水浴で人がいっぱいだった。



「紗茅、水着持ってくればよかったなぁ」



「え〜、やだよ!かき氷食べに来たんだもん!」



「そっちかよ!」



みんなは我先にと砂浜へ散らばっていった。



「雅人は行かなくていいの?」



「行っていいのかよ」



「だーめっ!でも雅人なら
 何人でも女の子来ちゃうよ♪」



「おっ!マジか?」



「だから、かき氷おごってぇ〜?」



「ちっ!」
雅人が舌打ちして笑った。


「ねぇ、誰か一人ぐらい連れてくるかなぁ」



あたし達は海の家を借りて、ゴザを引きみんなが戻って来るのを待った。



「ダメじゃね?」



みんながどこにいるのか遠くを探した。



「あっ!見て見て!」



虎ちゃんが、かわいい幼児とおままごとして遊んでる。



少し遠くの方を見るとよっちゃん達が、砂山を作って男の子とはしゃいでいた。



「あはは。みんなダメじゃん。
 何しに来たんだかねー」



「はは。みんなあの方が
 楽しいんじゃねーの?」


心地よい海風がそよぎ、波音を聞きながら、みんなが楽しそうにはしゃぐ姿を雅人と二人幸せな気持ちで見ていた。