雅人と歩いてたら、どこか見覚えのある顔が向こうからやってきた。




    ――那抖――




那抖の目線がチラッと雅人の方にいったのに気がついた。




心臓が止まりそうなぐらいバクバクした。




あと10メートル・・・




5メートル・・・




1メートル・・・




そのまま、あたし達はすれ違った。




『無視された?!』




気付いてない訳がないと、あたしはすぐに振り向いた。




那抖は振り向かずに遠ざかって行く。




確かに目が合ったのに、確かに気付いたはずなのに・・・




そっか・・・





あたし達はもう関係ないんだもんね。