先生の話しが終わると、急いで階段を下り、下駄箱まで走った。




雅人と過ごすには、バイトに行く前の少ししか時間がない。




「さっちゃん!」




「名雪・・・!」

名雪はなんだか、ずっとあたしを待っていたようだった。




「あのね!さっちゃん!」



「ごめん。忙しいからまたにして」




あたしはそう言って下駄箱にうわぐつを投げ入れ、バス停まで走った。




まだ名雪からは何も聞きたくなかった。




好きな人と親友を天秤にかけることなんかできない。



でも、まだあたしは二人を許せてない・・・




だったらあたしが消えるしかないんだ。




那抖は元気にしているんだろうか・・・




途中、楽しそうに笑いながら自転車に二人乗りしている中学生のカップルを見た。




那抖と二人で走ったこの道を思い出した。




何度往復しただろう。




那抖は、永遠にあたしのことを見続けてくれると思っていたのに・・・




あたしは何を間違えてしまったんだろう。




永遠なんてないのかな・・・




そんなことを色々考えていると、いつの間にかバスは駅に着いていた。