春も桜が満開に咲く頃、桜の花びらが舞い上がり、心地よい風が吹いていた。





新学期が始まり、名雪とはクラスがまた別になった。



あたしは正直少しホッとした。



教室の席は前と同じ、窓際の1番後ろの席だった。




席に座ろうと椅子を引くと、隣の女の子が話しかけてきた。




「吉岡さん!
 浜野恭子です。よろしく!」




「あぁ、よろしく・・・」




なんであたしの名前知ってるんだろうと、びっくりしながら会釈した。




恭子は目がくりっとして、ショートカットのよく似合う女の子だった。




「吉岡さんって長谷川さんと仲良かったよね?」




「あ、うん・・・」




「今日も一緒?」




「いや・・・」




「じゃあ、これからお弁当食べる
 時は一緒にお昼どうかな?」




「あ、うん、いいけど・・・」




「じゃあ、決まりね♪」




あたしは、名雪が何組になったかも知らない。




いつか、前みたいに笑いあえる時がくるんだろうか・・・




「あっあたし、恭子って
 呼び捨てでいいからね♪」




「あっ、じゃあ、あたしも」



「吉岡さんを
 呼び捨てはし辛いなぁ」




「え、なんで?」




「だって・・・高槻さんと・・・」




「あぁ、知ってんだ」




「知らない人いないと思うよ。
 聞いてスッキリしちゃった。
 あぁいう陰険な人
       大っ嫌いだし!」




「じゃあ、長谷川さんが呼んでた
 みたいにさっちゃんって
 呼んでいい?」




「うん、いいよ♪」