あたし達は、この前にも入った喫茶店に入った。




「言ってみろよ」




あたしは店員さんが持って来たアイスコーヒーにシロップを入れる訳でもなく、グラスについたしずくが落ちていくのをじっと見ていた。



「紗茅・・・
 話してすっきりしろ」



「んっ・・・あのね・・・」




あたしは、自分自身にあったことをゆっくり話し始めた。




ママの死のこと


自殺のこと


名雪のこと


那抖のこと




「・・・マジかよ」




「うん・・・」




「なんで俺に相談して
 くれなかったんだよ。
  俺じゃあ心細いか?」




「そんなことない!
 そんなことないけど・・・」




誰に言っても解決しないからしなかったんだ。