はぁぁ、なんだかどっと疲れたなぁ・・・



車に乗っていた時、あたしは限界だった。




早く一人になりたかった・・・



「おい、紗茅!」




「あっ雅人!」

偶然駅にいた雅人が駆け寄って来た。




「あれが、なつって人?」



「ううん・・・」




あたしは雅人から目をそらした。




「どういうことだ?」




「どういうことって?」




「おまえ、
 そんな軽い女だったのか?」




「はぁ・・・?どういう意味?」



「変な奴らに、あんなに殴られた
 り、蹴られたりしておまえの気
 持ちがハンパねぇと思ったから
 俺は、あきらめたんだぞ!」




「何言ってんだか・・・
 雅人に関係ないし」




あたしは、反対を向いて歩き始めた。




「待てよ!」




雅人は、あたしの腕をグイッと引っ張った。




「痛いー!」




「おい・・・泣いてんのか?
 なんだよ!何があったんだよ!
 言って見ろよ!」




「ほっといてよ。
 もう・・・雅人・・・痛いよ・・・」




雅人は、あたしの腕をいまさっきよりも強い力で握って離さなかった。