「あっ!そうだ。
 じゃあ、俺はこれお返しっ♪」



「えっ!何?」

那抖も用意してくれてたんだ・・・




「左手出してみ?」



「うん。那抖も手袋とか!
    だったら笑う〜♪」




那抖は手袋を外し、ごそごそと左のポッケを探った。



「あーったっ♪」




那抖は、あたしのまだかじかんだ手を広げ、何かを薬指につけた。




「指輪だぁ」




「おー!」

いっとき、あまりの嬉しさに指輪に見入った。




「きゃー!めっちゃうれしい」

あたしは那抖に抱き着いた。




「よかったっ♪」



「那抖、ありがとう♪」



「実はお揃いなんだ♪
 俺のは紗茅のイニシャル入り。
 紗茅のは俺のイニシャル入りだ
 ぜ!」



那抖はもう一つ指輪をポッケから出した。



「ほんとだぁ。N、a・・・あれぇ?
 これ那抖のイニシャル・・・」



「いっけねっ!間違えた!」


「・・・ってことはぁ?」



「これがおまえのだ・・・」



「あんぽんたん!」



「エへへ〜じゃあ、もう一度♪」




あたしの薬指の指輪を外し、もう一度那抖のイニシャルの入った指輪をしてくれた。



「じゃあ、那抖のは
 あたしがしてあげる」




ゆっくりと那抖の薬指に指輪をしてあげた。




「はいっ♪」




「紗茅・・・
 ずっと一緒にいような」




「うん」




「メリークリスマス・・・」




そう言いながら那抖はそっとあたしの薬指にキスをした。