そろそろお腹も空いてきたなぁって頃、那抖のパパは戻って来た。



「ただいま〜!」



「おかえりなさ〜い♪」



おばあちゃんは、顔の皺がくしゃっとなるぐらい笑顔だった。



「よっしゃ!祝いだ!酒!酒!」


おじさんは、ドーンとちゃぶ台の前にあぐらをかいて座った。



「おじさん、病み上がりだよ」



「さっちゃん、一杯だけ。
 いや、ビール一本だけ。な?」



「約束してね?」



「じゃないと、また病院に
   ぶっこんでやるからな!」


「なんだとー?」

そう言いながら、おじさんが立ち上がり、那抖のむなぐらを掴んだ。



「やめなさい!
 まったく、あんた達は
 顔合わせれば喧嘩ばっかり!」



おばあちゃんが、おじさんと那抖と体の間に割って入った。



「那抖は心配してるだけだよ!
 おじさんの体のことを。
 おばあちゃんだってそう。
     わかってあげて・・・」



「ったく・・・わかったよ。
    飯にすんべ・・・」



ふぅ、よかった。

ちゃぶ台ひっくり返されないで・・・



「じゃあ、
 おじさんの退院を祝して
      カンパーイ♪」



あたしは久々に家族というものを感じた。



心配して、喧嘩して、仲直りして。



これが家族なんだなと思った。