それからあたしはおばあちゃんに習って、ちょっと形の崩れたへんてこ手巻き寿司を作り、那抖のパパの帰りを楽しみに待った。



途中、那抖がから揚げをつまみ食いばかりするので、おばあちゃんに叱られてた。



そんな風景が、今のあたしにはとてもうらやましかった。



「ねぇ、おばあちゃん?
 今日パパには飲ませるの?」



「あぁ、言って聞くような
 人じゃないからねぇ」

おばあちゃんが、少し悲しそうな顔をした。




おばあちゃんにとって、那抖のパパは息子だから、元気でいてほしいに決まってる。




「大丈夫!あたし達がそんなに
 飲まないようにこれからは
 見張っててあげるから。ね?」



「ありがとねぇ」



おばあちゃんに笑顔が戻った。



あたしが、おばあちゃんにしてあげられることは全部してあげよう。



おばあちゃんの、嬉しそうな顔を見てそう思った。



もう誰にも病気になってほしくはない。