「おはようございま〜す・・・」




ゆっくりリビングの方へ歩いて行くと、キッチンに立っているおばあちゃんの姿があった。




「はい、いらっしゃい」



「おばあちゃんっ♪」



「あら、あなたは・・・」




おばあちゃんが、必死であたしの名前を思い出そうとしてるのがわかった。




「紗茅だよ。覚えてる?」


「あーあーあー、さっちゃん?
 だったわね?あら、まぁっ。
 なぁ君の彼女って
  さっちゃんだったのかい?」



「どうなってんの?」

那抖があたしとおばあちゃんを交互に見て、理解不可能とみた。




「ここに一度来たことがあるの。
     なーくん・・・ククク・・・」




「まぁまぁ、そうかい。
 さっちゃんがねぇ。
 まぁ、私はどんな女の子が
 来るのかと心配してたよ。
   よかった、よかった・・・」



「ちょっ、ばっちゃーん!
   答えになってねーって!」




「ほら、なぁ君。
 随分前に言っただろうがね。
 親切なかわいい女の子に
   荷物運んでもらったって」



「あぁー!」



「そん時の子がさっちゃんだ。
 なぁ君、
  あんたは見る目あるなぁ」



「だっろー?ばっちゃん♪」



「世の中は狭いね。
 な―――君♪・・・プハハッ!」



「おまえ・・・いまさっきから
   おちょくってんだろ・・・」