「ほら、ひざ枕♪」




「いい・・・・・・」




「遠慮すんなって!ほらっ!」




強引にあたしの体を引きずり、あたしの頭をそいつの膝に乗せられた。




「あんたって、めっちゃ強引」




「なんでやられたんだ?
 あんな大人数に・・・
 ただ事じゃねぇなぁ」




「彼氏と別れろだって・・・」



「あいつが元カノとか?」



「さぁ、よくわかんない・・・」

あんなケバイ女が元カノ・・・?

そんなの信じたくなかった。


「まぁ、ろくな奴じゃねぇな。
   またやるんじゃねーの?」



「もう勘弁だよ・・・」



「あいつら
 山高の制服だったなぁ・・・」




山高と言えば、素行の悪い奴らの集まり。


よく冷えあがるような悪い噂を聞く。


「俺のアドレスと携番
 教えといてやるよ。
 なんかあったら連絡しろ」



そいつは身動きできないあたしのポッケを探って、携帯に自分のアドレスと携番を入れた。



「マジ強引・・・」




「いいから・・・
 いつでも連絡しろよ」




「う〜ん・・・」

那抖に見られたら殺されちゃうかな・・・



でも、なんだかこの人の膝枕は心地よかった。




まばらとはいっても人が通る場所なのに、恥ずかしげもなく付き合ってくれたのが、とってもうれしかった。