「絶対似合う。ほら・・・な?」



那抖があたしの後ろから鏡を覗き込んで、ピアスをそっと耳たぶにあててくれた。



「ほんと・・・かわいい♪」



ズキズキする耳たぶの痛さが、少しだけ薄れた。



その分、あたしの顔に近づいた那抖に胸がドキドキした。


「ねぇ・・・那抖?」



「なんだ?」



あたしには『一大決心』がもう一つあった。



ずっと前から気になってたこと。



「那抖には彼女いるのに、
    ・・・・・・いいの?」
あたしは、恐る恐る鏡ごしに聞いた。



「は?」



「あたしはいいけど・・・
 いや・・・よくないかな」



「おまえ、なに言ってんだ?」



「だからぁ、彼女いるってことは
     ・・・・・・二股じゃん?」

とぼける那抖に少し苛立ったあたしは立ち上がった。