名雪は数日して無事退院した。




学校には詳しい理由は知らされてなかった。




「体調はどう?」




「うん、元気になったよ。
 さっちゃん、
   色々とありがとう♪」




「あたしは何もしてないよ。
 那抖のこと・・・ごめんね?」




「さっちゃんって
 照れ屋だもんねぇ。あはっ♪」



「あ、うん、まーねー♪」



「ねぇ、さっちゃんはクリスマ
 スに那抖君に何か用意した?」




「あ、まだだよ」




「そうなの?」




「名雪は、松本に?
 クリスマスプレゼントあげる時
 に、告っちゃいなよ」



「え、あぁ・・・
 プレゼントだけにする」




「あたし、何にしようかなぁ」




「さっちゃん、
 男の子は手作りが喜ぶよ!」




「手作りねぇ・・・
 名雪はやっぱり手作りケーキと
 かでしょ?」




「喜ぶかなぁ?松本君・・・」




「名雪にもらえたら
 なんだってうれしいってば。」




「そっかな。
 じゃあ、がんばろっ♪」



あたしも、たまには女の子らしくがんばってみるかな。



年に一度のクリスマスなんだからね。




「はい、
 名雪には一足早いプレゼント。
     ―――左手出して」




あたしは、名雪の傷が目立たなくなるまでと思い作った物を、名雪の左手首にしっかりと結んであげた。




「ミサンガだぁ・・・」




「うん。友情の証・・・
  なぁ〜んてね♪」




「さっちゃん、ありがとう。
  大事にする...
 ―――大事にするから...」

そう言って名雪はぽろぽろと泣いた。




このミサンガが取れる頃には、名雪は元気になってるだろう。