「ん?どうした?」




「なんかおかしい・・・」




「え?」




「那抖!一緒に来て!」




訳がわからない那抖の手をひっぱり、二人乗りをして全力でこがせた。




後ろに乗ってる間、ずっと携帯を鳴らし続けた。




――『お客様のおかけになった・・・』




名雪出てよ・・・お願い!




何度かけても留守番電話だった。




名雪の家にたどり着いた。



何度押しても、インターホンには応答がなかった。




「家じゃないんじゃないか?」




「そうなのかな・・・
     でも・・・」



名雪はそんなに出かける方じゃない。




あたしの勘では、確かにここにいる感じがした。




「ねぇっ那抖!
 ここよじ登ってここ開けて!」




「任せとけ!」




那抖は、軽くよじ登り門の鍵を開けた。




あたし達は、一つずつ家の窓を開けて回った。




開かない!




・・・ここも開かない!




裏へ回るとお風呂の窓があった。




磨りガラスに水滴がついてくもっていた。




・・・まさか