1番後ろの窓際の席に着こうとした瞬間、その理由に気付いた。





―――机のラクガキ



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   キモい!


       死ね


   帰れ

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あぁ・・・
よくあるドラマみたいね。




あーめんど・・・




なんでこんな意味ないことするんだろ。




「雑巾、雑巾と」




掃除用具入れに雑巾を取りに行った。




なにげなく、横にあったゴミ箱に目をやると、あたしの上履きが捨てられていた。




高槻達がクスクス笑う。




ここで拾えばゴミあさりとか、臭いとか言うんだろうね・・・




あー、マジめんどい。




それでなくても、ママのことで頭はいっぱいなのに、これ以上絡んでくるなよ。



最初は少人数だったのが、虐めってのは、あっという間に巨大化してくる。




いつの間にか5人が10人。


10人が20人。




女子だけなのが男子まで。


仲良かった人までも・・・・・・




「・・・ねぇ?」




「・・・・・・」




まるで急に口が聞けなくなったかのように、話しかけても誰も話そうとはしない。




ふーん。そっか・・・



めんどくなくていいね。



弱い奴らばっか。

ったく・・・




自分の意志とかないのかよ。




人に左右されるなんて、あたしは絶対に嫌だ。