このとき誰かの横を通った。




その人は男の人で背が高くて、20代ぐらいの・・・








今の人ってもしかして・・・・








雄輔先生・・・?











そんな・・・まさか・・・嘘・・・







私は少し戸惑ったけど後ろを振り向いた。




雄輔先生だと信じて。












するとそこには・・・・・・






























2年前、急にいなくなってしまった




















雄輔先生がいた。























俺は沖縄の学校を辞め、また都会に戻ってきた。





あれから2年が経った。



今でも平山さんのことは忘れた事がない。






いつもいつも平山さんの無事を祈っていた。





都会に戻ってきたのは2つ理由がある。






1つはまた学校で先生を続けるため。







あと1つの理由。






それは平山さんに会うため。
今日はバレンタインデー。




平山さんはもしかしたら他の男と幸せな時間を過ごしているのかもしれない。



それでも・・・俺は平山さんが無事でいるのを確認するだけでもよかった。





あと俺の子供も。




一度だけ見て、もう平山さんのことは諦める。




もうここに来る前から決めていた。





本当は悔しい。



本当は誰にも渡したくない。






でも俺は平山さんが元気でいればそれだけでいいんだ・・。

そう思いながら俺は街中を歩いていた。





俺の少し遠く離れた場所には女の人と女の人の子供らしき人が歩いている。




女の人の顔は子供と話してて見えないが、きっと年齢は10代ぐらいだろう。





平山さんと同じぐらいの歳の子かな・・・?






早くに出産してるんだなぁ・・。





そう思っているとその女の人が顔をあげて前を歩き出した。






その女の人は・・・・











間違いなく平山さんだった。










平山さんだと認識した時に俺は平山さんと横を通り過ぎた。




俺は立ち止まった。





きっと平山さんは俺の事を気がついていないのだろう・・・。




だって俺の横を通り過ぎたんだから・・。





顔も見てくれたなかったし・・・。





でも平山さんは無事だった。
あの子供は・・・誰の子だろう・・・。




もしかして俺の子??





もしそうだったら嬉しいな。




もう平山さんには家庭があるかもしれない。





俺はそれを邪魔する権利はない。





だから・・・




だから、せめて


後ろ姿だけでも目に焼き付けておこう、






そう思った。



そして後ろを振り向いた。





すると平山さんも後ろを振り向いていた。
「雄輔・・・先生・・・?」

「平山・・さん・・?」



私は雄輔先生と確認した。




涙が出てきた。




本当に雄輔先生・・・?





出会えた・・。



ずっと会いたかった・・・。




先生・・・。





そして、私は雄輔先生に抱きついた。






雄輔先生も私だと判断したのか抱きしめてくれた。