「小林君……、明菜の事好きなんじゃない?」


「えぇ?」


思わず口をポカーンっと開けて驚く。


だってそんなこと、一度だって考えたことがなかったから。


っていうか、どうして今、そんな話になるわけ!?


「それはないって!!だってあたしに復讐するために、わざわざ家庭教師やりたいって名乗りでたんだよ?」


「でもさ、嫌いな子にキスしたり、助けたりしないと思うんだけどなぁ」


「それは……」


「それに、もし本当に復讐する気があったら、とっくに復讐してるはずだもん」



もしも、瑞穂の言うことが当たっていたら、嬉しい気がする。


だけど、今はそんなことを話している場合じゃない。


「あたし、もう一回先生の所にいってくるね!小林を退学にしないでってお願いしてくるから」


「うん!そのほうがいいよ!あたしにも何かできる事があったら言って?」


「瑞穂、ありがとう!!」


あたしは瑞穂に手を振ると教室を飛び出して、再び職員室に向かった。