「……マジかよ……」
「今まで俺を散々バカにしやがって。どうしてくれんだよ?」
「いや、それは……あの……」
「今までお前にされたこと、全部倍返ししてやろうか?」
ニヤリと口の端を持ち上げて笑うと、金子はみるみるうちに顔を歪ませて頭を下げた。
「……小林。いや、小林君。今まで本当に悪かった!でも俺達友達……だろ?」
誰と誰が友達だって?こんな時だけ、友達ぶりやがって。
バカ言ってんじゃねぇ。
「ハァ?友達?笑わせんなよ」
このバカを一発殴ってスッキリしよう。
肩パンの時は手加減してやったけど、今回は思いっきりぶん殴ろう。
ニヤリと笑い腕を振りかぶった瞬間、金子は上履きを放り投げて、物凄いスピードで俺の横を通り過ぎていった。