勝手に家庭教師を休むと言いだし、しまいにはカツラや伊達メガネを掛けて変装していた俺。
そんな俺におばさんは嫌悪感を抱くと思っていた。
でも、おばさんは笑顔で俺を迎え入れてくれて。
「それと、俺……明菜と付き合ってます。軽い気持ちじゃなくて真剣に付き合っています。認めてもらえませんか?」
明菜と付き合っていることを知ったら、俺は家庭教師をやめなければいけなくなるだろう。
それでもいい。
明菜の家庭教師が出来なくなっても、俺はいつだって明菜の傍にいてやれるんだから。
「あらそう。小林君が明菜の傍にいてくれたら安心だわ。毎日勉強も教えてもらえるしね」
でも、そんな心配をよそにおばさんは平然とそう言い放った。
「ねぇ、ママ。それって、龍心に家庭教師続けてもらっていいってこと?」
「当たり前でしょ?何か問題でもあるの?」
「別に問題はないけど……」
あっけらかんとしたおばさんの様子に明菜も若干困惑している様子だ。