そのあと、俺達はくだらない話をして時間を潰した。


小中高とずっと同じ学校だったとはいえ、あまり関わり合いのなかった大虎。


話しているうちに大虎の意外な素顔を知った。


「へぇ、お前ってバイク好きなんだ?」


「あぁ。近々単車の免許取りに行こうと思っててさ」


「俺、来月から免許取りに行くし、紹介してやろうか?」


「紹介?」


「そう。俺がお前を紹介すれば割引料金で免許取れるんだよ」


免許を取ると言ってもあの母親が金を工面してくれるとは思えない。


きっと大虎が自腹をきるんだろう。


「……龍心、ありがとな。すげぇ嬉しい」


「なんだよ。お前が素直だと気持ち悪い」


大虎はふっと微笑み、礼を言った。