「あれが母親なんて笑っちゃうよな……」


そうポツリと呟く大虎があまりに寂しそうで。


俺は何も言えなかった。



「こんな家じゃ恥ずかしくて友達も連れてこれないし。まぁ友達なんていないけど」


「じゃあ、何で俺のこと連れてきたんだよ。俺がお前の友達じゃないからか?」


「何でだろうな……自分でもよく分かんなくてさ。気付いたら、龍心のこと誘ってた」


「お前が分からないんじゃ、俺も分かんねぇよ」


「……俺さ、多分、龍心なら大丈夫って思ったんだよ」


すると、大虎はふっと笑いながらそう言った。