「てめぇ……、龍心のこと悪く言うんじゃねぇよ。ぶっ殺すぞ?」


「猫を飼うならあんたも一緒にこの家を出て行きなさいよ!」


スッと立ちあがり、母親の耳元でそう囁いた大虎。


身の危険を察したのか、母親は最後にそう言い残して勢いよく部屋の扉を閉めた。



「……悪かったな。嫌な思いさせて」


「別に嫌な思いなんてしてねぇよ。でもお前の母親……いつもあんな感じなのか?」


思わずそう聞くと、大虎は表情を曇らせながら頷いた。