「お前、何企んでるんだよ」 「え?ただチビを龍心に見せたいだけ」 「へぇ……」 俺は大虎の一歩後を歩き、渋々ついていった。 こいつ、何考えてるか全然分かんねぇ。 昔から大虎は何を考えているのかよく分からない男だった。 特別仲の良い友達もおらず、基本的に一匹狼のようで。 でも、話掛けると笑顔で受け答えする。 短気で敵に回すと厄介な男だけれど、怒りを買わなければ普通の男と変わらない。