「こんなとこで何してた?」 「……あのね、龍心。あたし龍心の部屋に……――」 個室から出てくるなり、俺は明菜そう問いただした。 明菜は今にも泣き出しそうな顔をしていて。 そんな顔をさせたいんじゃない。 そんなことを聞きたいんじゃない。 そんなことを言いたいんじゃない。 自分自身をセーブできないことへの苛立ちがどんどん募っていく。