心臓がドクンドクンと不快な音を立てて鳴り続ける。


一人の女に対して、こんな感情を持ったのは生まれて初めてだった。


明菜のこととなると、自分を止められない。


もし、あいつに何かあったら……そう思うと胸が締め付けられるように苦しくなる。



俺はトイレに入り、一つ目の扉を叩いた。


≪コンコン………―――≫


軽く叩いてみるが反応がない。


仕方なく隣の個室の扉を叩くと、中から反応があった。