―――龍心サイド――― 「おい!!何してんだよ」 懐中電灯の明かりの先には明菜の険しい表情。 明菜の両手を拘束しながら大虎はゆっくりと振り返った。 「なんだ、龍心か。今からがいいところだったのに」 「お前、明菜になにした」 ニヤッと笑いながら明菜から手を離す大虎に反省の色はない。 「何したか答えろよ!!」 思わず大虎の襟元を掴んで声を荒げると、大虎は俺の手を払いのけた。