「え?何で?瑞穂って杉崎君のこと気に入ってるの?」


「違うよ。杉崎君って女の子から人気あるでしょ?勉強も出来るし、スポーツも万能だし。何か母性本能をくすぐるって言うか……」


杉崎君は確かに万人受けするタイプの男の子かも。


少し長い前髪の間から見え隠れする二重のパッチリとした目。


笑うとわずかに見える八重歯。


『天然美少年』と呼ばれている杉崎君は、校内のアイドル的存在。


だけど……、この間杉崎君に覚えた違和感はいまだに拭えない。



『謹慎期間中、佐和さんのことは俺に任せて!!』と叫んだ杉崎君。


振り返った先にいた、杉崎君は……全然知らない人のようだった。