―――明菜サイド――― 遠足当日。 「めんどくさいね~?」 「うん……。わざわざバスに乗って山登りしに行くんだもんね」 早朝、学校前に停められていたバスに乗り込むと、あたしと瑞穂は同時に大きな溜息を吐いた。 「ねぇ、明菜って肝試しの時のペア、誰とだっけ?」 「杉崎君だよ」 「杉崎君かぁ。羨ましいな」 カバンの中から取り出した飴を口に放り込みながら微笑む瑞穂。