「さっき知らない女たちから渡された」


今まで根暗なガリ勉タイプだった俺には見向きもしなかった女達が、今朝はやけに騒がしかった。


『これあたしの番号です!よかったら、連絡ください!』


『いらない』


何度断っても食い下がる女達に呆れ、俺は来るもの拒まず状態だった。


手でおさまりきらなくなると、今度は制服のポケットにまで押し込んでくる始末。


朝からうんざりすることばかりだ。



「いらないから後で捨てる」


そう言いながら何気なく顔を上げると、明菜は頬をこれでもかという位膨らませていた。