「おう」


「一週間ぶりの学校はどう？」


「最悪」


嬉しそうな明菜とは対照的に俺のテンションは最高に低かった。


「なぁ、この一週間、クラスで変わったことなかったか？」


「ん～、特にはないよ！龍心がいなかったっていうだけ」


「そっか」


明菜はわずかに首を傾げて、「変なこと聞くんだから」と呟いた。



俺には、ひとつだけ気がかりがあった。


杉崎。


あいつの言葉が、今も頭の中にこびりついて離れない。


学校で起こったことは明菜が毎日のようにメールで知らせてくれた。


俺が謹慎している間、杉崎の話は一度だってでなかったけれど、不安は増していく。


明菜は、何も知らない。


杉崎がどんな奴か……。





「あ……!!ねぇ、それ何!?」


すると、明菜は俺の手に握られていたたくさんの紙切れに気が付いた。