「……でも、あたしが嫌なの。あたし、小林が学校退学になったら……嫌なの!!」


少しうつむき、しぼり出すような声でそう言った佐和に、心臓がドクンと鳴り始める。


「あたしもっと小林と一緒に学校生活送りたかったよ。どんなに意地悪されても……小林がいないとつまんないよ」


そんなこと言うなよ。


退学でもいいなんて、本心なわけないだろ。


俺だってお前と離れたくない。


「バーカ。俺が退学したからって会えなくなるわけでもないだろ?お前の家庭教師は続けるし」


「でも……」


薄らと目に涙を溜めて俺を見つめる佐和。


ふざけんなよ。


そんな顔で見つめられたら、我慢できねぇだろ。