飛び出したさきには、私の悲鳴を聞いて駆けつけた葵が立っていた。
そんなのお構いなしに、葵に飛びついた。
「ゴキブリーーー!風呂にゴキブリ……。」
今にも泣きそうな声で葵に訴える。
葵は私を離して風呂場を覗こうとするが私は離れない。
葵の体をぎゅっと抱きしめていた。
「結奈…そんなに抱きついてたら襲うぞ…。」
それを聞いてハっと我に返る。
そして今、自分がどんな格好をしているのか…
「さっきから、結奈の胸が当たってるんだけど…。」
「ご、ごめんなさい……!!」
今になって、恥ずかしさが込み上げてくる。
「もう、ゴキブリはいないみたいだな。大丈夫か?」
「う、うん…。ありがとう。」
「たくっ俺と一緒に暮らしてる自覚しろよ!!」
「はい…。」