『帰りに京奈ちゃん見つけたら、待ってるよ。おやすみ』
どうせ、おやすみ、と一言返ってくるのが関の山。
そう思って、暫く携帯を見ないで放っておいた。
電気を消した室内に光るランプが気になって余計眠れず、開けて見るとこのメール。
あたしは目を見張り、画面を凝視する。
待ってるよ…
待ってるよ……
(うわっ!やったぁ〜!)
一緒に帰れるだけで嬉しい。
中学生レベルだな…
いつ会えるかわからないから、いつでもお洒落しとかなきゃ!
途端にウキウキしてきたあたしはすっかり眠れなくなってしまった。
翌朝は瞼も重く、鏡を見ると明らかに寝不足な顔。
それでも冷たい水で顔を洗い、気分を変えてメイクをする。
てかさぁ…朝から張り切ったって、学校行くんだし!
バイト終わったら化粧崩れてるし!
独り言をぼやきながら、あたしは家を出た。
首のネックレスが歩くと揺れてくすぐったい。
冷たい風に当たって、そこがひんやりする。
その感触にあたしの顔は自然と綻んでいた。