ゴスッ!!
「うっ!!」
ベタッ!!
「ぶっ!!」
海斗はショウの顎を頭突きする形になってしまった。あまりの痛さにその場でうずくまるショウに、海斗もおでこをさすりながらしゃがみ込む。
「ご、ごめんなさ~い!ショウ、大丈夫?!痛い?」
痛いに決まってんだろうが!!
そう叫びたかったものの、顎が痛くてそれどころじゃないショウ、片手を海斗の顔にのばしたかと思うと。
ギュッ、とその柔らかいほっぺをつねった。
「いたたたたたたたっっ!!」
ささやかな仕返しである。
「オッマエ、アブねぇだろ!猫持って走るな……って彩都?!」
「た、助け……」
ショウが目にしたのは、顔にぶっさんを貼り付かせたままで硬直している彩都。
「ヤバい。コイツ猫が大の苦手なんだよ」
「え?!マジ?!」