―イジメー

「ふぅ・・・・・」

英菜は自分の部屋で1人ため息をついていた。
ベットでゴロゴロしながら由君の言葉を思い浮かべた。

『俺には好きな人がいます』

あの言葉を聞いてから誰だかとても気になっちゃって
胸がいっぱいになっている

恋ってこんなものなんだなあ・・・・・
そう実感した時、

「・・・!!」

GReeeeNの「愛唄」がケータイから流れた。
あたしは、これが大好きで着メロにしている。

てゆーか、GReeeeN大好き!!
ま、それはともかく、電話に出ると・・・

「もっし~~?」

《英菜あ~!!!!!》

「千佳!?」

電話の相手は千佳だった。
しかも、鼻声ですすり泣きしている感じがしていた。

あたしはすかさず
「どうしたの!?」と、聞いた。

千佳は他の人に話すと落ち着くタイプだから
話せば何とかなると考えたのだ。

すると千佳が

《あのね・・・・・あたし・・・

由君にコクったんだけどふられたあ・・・・・》

といった。

その言葉を聞いた時、あたしは何も言えなかった。
そして、心臓が高鳴った。

あの時から千佳が由君にふられたことを知ってたから…。

「マジでふられたの・・・・?」

《うん…保健室で告ったけど…好きな人がほかにいるから
無理って言われちゃった…》

千佳は泣きながら声を震わせ、言った。
そのとき、あたしは無意識のうちに

「聞いてたんだ…」

と、言ってしまった。
言った後、死にそうに頭を抱えたけど千佳は

《影で見えてたから知ってたよ~もぉ~正直に言ってよ~~》

と、わざと明るく言ってくれた。
罪悪感がうまれ、心の中で謝ることしかできなかった。

そんなとき、電話の向こうで千佳はケータイを持ちながら
唇をかみ、悲しさを堪えていた。

千佳は英菜のため。英菜は親友だもん!傷つけたりできない…
そう思い、必死でたくさんの事を我慢した。

一方の英菜はお風呂でまたもやため息…
千佳も絶対ショックだったのに明るくふるまってくれて…

本当に悪いことをしたと思いつつ、
心の中ではライバルが消えて少し安心していた。