「あらやだっ。パパ大事な書類忘れてる!」

「亜也が届けるよ!」

「本当?じゃあ気をつけて行ってきてね!」

「はーい。」


あたしのお父さんは、有名な病院の小児科の先生。

なかなか遊んでもらえないけど、そんなお父さんを尊敬していた。


「お父さんっ!これ忘れてたよ!」

「ありがとう亜也。1人で来たのかぁ、偉いなっ!」

「うん!お仕事がんばってね!」


お父さんに別れを告げ、小児科病棟の廊下を歩く。

同い年くらいの子供たちが点滴を下げていたり、泣きわめく声が響いててなんだか痛々しかった。