「まあ、のんびり行こうや~。しゃあないやん、祠稀があんなんじゃ」

「遊志の言うことも一理あるね。今できることなんてないよ。威光が動いたら、話は別だけどね」

「……うん」


威光……か。


家を出ていった祠稀に行く場所があるとしたら、それは威光が集まるところなのかな。


そこに行けば、祠稀に会えるかな……。


「ちょお凪! アカンで!? 今危ないこと考えてたやろ!」

「考えてませんー」

「いーや! 考えてたね! 絶対考えてたね! 威光のアジトどこやねん! とか考えてたやろ!」

「遊志うるさい。それよりさ、祠稀くんが威光のとこにいるなら、マズいんじゃない? 謹慎中なわけだし、警察沙汰の問題起こしたら停学どころじゃないかもよ」

「……だよねぇ……ああもう、ほんとどうしよう」


威光が集まる場所なんて知らないし。ましてや祠稀がリーダかもってだけで、メンバーの顔とか知らないし……。


調べようとしてるのが彗にバレたら止められるし……だからって何もしないわけにはいかないし……。


「八方塞がり……」

「え? 八宝菜? 俺も好きー」


遊志……ウザッ!


「とりあえず、威光が何かしたって話だけは耳に入るようにしとくよ」

「うん、ありがと。でも、大雅もあんまり危ないことはしなくていいからね」


遊志と違って、大雅は大人だな……。