いないかもしれない。

『……明日、美海は来なくてもいいから』


そう言った音弥の表情も、言葉も、後ろ姿も忘れられない。

まだ記憶の裏に焼き付いてるよ。




信じてなかったのは、あたしの方で。

音弥はいつも信じてくれていたんだ。


それは見えないくらいに小さくて、聴こえないくらい囁かで……

あたしは今まで気付いてあげられなかったよ。


…いや、気付かない“フリ”をしていただけなのかもしれない。





だって、こんなに心が叫んでる。


音弥に会いたいよ、って。
寂しいよ、って。




だから…あたしは走るよ。

音弥のところにいくために。






4時59分。