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「花火楽しみだね~」

明るい笑顔と嬉しそうな言葉。
俺の隣で笑うのは他の誰でもない、希咲で。

俺が願ってた相手ではないのかもしれない。



「…えらい大はしゃぎだな」

「うん!!お祭りも花火も大好きだから楽しみ~」


隣ではしゃぐのは美海じゃない。もちろん、誘ったのは俺じゃない。

一番誘いたい相手すら誘えないなんて、男として失格だろ。


今思い返せば、宿泊学習の時に音弥が残した言葉が宣戦布告のサインだったなんて……。

あー……、悔しい。






『悩んでたら手に入るモノも、入らないだろ?』


誘おうかウダウダしてる間に、音弥に先越された。

野菜を切って、カレーを作ってる時にまさかの宣戦布告。


―…情けなさすぎる。