強く強く願ったら、振り向いてくれるような気がして。

“ごめんなさい”と願う想いを混ぜ合わせて、握られた手に送った。




「おと…や」

美海、と名前を呼んで振り返った姿が嬉しくて、跳び上がりそうになった。

けど……





「……明日、美海は来なくてもいいから」




振り返ってあたしを見た音弥の目は、いつになく鋭くて辛そうだった。

言われた言葉の意味も理由も。
そんなの全然分からない。

脳裏に浮かぶイヤな予感が振り払っても振り払っても、消えてはくれない。



……あたし、音弥に嫌われた……?